萬翠荘 維持管理型ベイト工法開始

愛媛県が誇る史跡である「萬翠荘」のシロアリ管理をご用命いただきました。

萬翠荘正面

大正11年(1922年)松山藩主の子孫である久松定謨伯爵が木子七郎設計の下、建築された
松山で最も古い鉄筋コンクリート造の建築物で、昭和天皇もご宿泊された由緒ある施設です。
ルネサンス様式を基調とした大正ロマンあふれる貴重な建築物で、建築後は様々な用途に使用されましたが現在はイベント展示場として利用されています。

 今回、建物周囲にあったヒマラヤ杉にシロアリ被害があり、建物内部にも被害がおよびかけていたため
ヒマラヤ杉を撤去後、シロアリの防除で弊社の維持管理型ベイト工法が選定されました。

 名誉ある仕事を仰せつかったことにより些か緊張しての施工でしたが社名を掲げての事業。しっかり施工させていただきました。

萬翠荘屋上

普段はあまり見られませんが屋上の2段傾斜の寄棟造りのマンサード屋根内部です。
当時では珍しい鉄鋼ラーメン構造で2段になっている様子が分かります。

一般的には非公開ですが要望があれば前日までに申し込めば見学できるそうです。
しかし疑問が・・・外観では尖がって見える屋根なのに天井はなだらか…?もうひとつ上に小屋裏があるのでは?

地下厨房跡

萬翠荘地下 これもあまり見られませんが、地下厨房跡です。ここで晩餐の食事は作られていたようです。(天井は結構低いです)出来た料理を上部会場まで運ぶ階段や外部から材料を運び入れる入り口階段など、様々な工夫がされてあります。

萬翠荘浴槽

昭和天皇がご使用になられたといわれる浴室です。
普段は見ることはできませんが、タイル貼りの浴槽は80年経過した今でも磨けば当時の輝きを取り戻します。
この他にも、あと2か所の浴室があります。(五衛門風呂)

萬翠荘_立木被害

 外部立木にシロアリ被害がありました。

そのほか、内部には素晴らしい「木内真太郎」作のステンドグラスや、画家「八木彩霞」の絵画、室内装飾には「相原雲楽」らなどの作品が見られます。

このような素晴らしい建築物を維持する事業に関わることができ本当に名誉なことと思います。
鉄筋コンクリート造といえども各所に木材が使用されております。
後世まで、この遺産を伝えるように
シロアリ被害が及ばぬよう万全を期して管理に励むよう心がけていきます。

※萬翠荘はシロアリ施工後、国の重要文化財に指定されました。